色々

色々書きます

数学デーについて

この記事は、数学デー Advent Calendar 2019 の第1日目の記事です。 

 

人は群れる生き物です。

特に、同じ趣味の人間同士はよく群れて、一緒に遊んだりします。

SNS等が発展した昨今では、同じ趣味の人間を簡単に見つけられるようになりました。そこでグループが形成されれば、オフ会が発生してリアルで会うこともできます。

 

SNS上でのやり取りも、リアルでのやり取りも、どちらにもメリットがあります。おまけに、一方のメリットは、他方では享受しにくいものだったりします。

すると、はじめは年数回の会合だったものが、いずれそれだけでは満足できなくなるでしょう。会うことで得られるメリットを欲するようになるからです。

やがて回数が増え、年数回が月一回、月数回、そして週一回から週二回へと増えてきます。

 

それが、数学デーです。

 

この記事では、私が主催するイベント「数学デー」とはどのようなものであるかを、運営視点で紹介したいと思います。

 

§1.数学デーで何をしているのか

数学デーとは、「数学好きまたは数学好きでない人が集まる部室みたいなやつ」をコンセプトに、週二回(水・金)、都内で開催しているイベントです。

基本的にはどなたでも参加OKですが、実際には数学が好きな人達がたくさん集まっています。ただ、数学を専門としている人は少数派で、多くは趣味で数学をしている方々です(中には普段は全く数学をしていない方もいるようです。そういう方も大歓迎です)。

 

数学デーでは、名前の通り数学の話をすることもありますし、数学とは全く関係のない話をすることもあります。最近は、ボードゲームなどで遊ぶことも多いです。

たいていの話題はその日一回こっきりで終わってしまいますが、場合によっては何週間にも渡って議論され続けることもあります。

 

最近出た話題には、例えばこんなものがあります。

  • あみだくじの確率を行列で計算する*1
  • 球面上での〇×ゲーム*2
  • 四次元世界での惑星の運動*3
  • 分数を拡張した巴数*4

数学が(あまり)関係ない話題としては、こんなものがあります。

  • 円周率を文章に変換する*5
  • 「部分的に黒いポケットに入った猫が描かれたTシャツを着た人」は何通りに解釈できるか*6
  • 人間論理回路*7
  • 改造版ワードスナイパー*8

 私個人としては、「頭の良い人達が全力でバカなことをやっている場」と評しています。

 

§2.数学デーで何をしたいのか

ここまで、何をしているのかを話しました。

では、私はそもそも、ここで何をしたいのでしょうか。

冒頭に書いた通り、人は群れる生き物です。特に、同じ趣味、同じ感性の人達で集まりたがる傾向があります。

私が作りたいのは、まさに、数学を趣味とする人が集まれる場です。

集まって何をするかは、特に決めません。でも、数学好きが集まっているので、自然と数学や数学っぽい話をすることになります。その内容については、上述の通りです。

 

これまでのところ、私の目論見通りに進んでいます。

いえ、むしろ、目論見以上に進んでいます。

初めは週一だったイベントが週二になり、最近は大阪や福島、横浜などにも飛び火しています。

目指せ全国、です。

特筆すべきは、都外での開催はすべて我々の手によるものではなく、数学デーの活動を見て影響された有志による実施だという点です。

まさにこれは、私が待ち望んでいた展開です。

私が作りたいのは、数学好きが集まれる場です。

そして数学好きは、東京都にしかいないわけではありません。全国に、全世界にいます。

でも、私の体はひとつです。全世界で数学デーを開催するのは物理的に不可能です。

そこで、「我々の活動は誰でも真似していいです」「むしろ真似してください」と発信し続けることにしました。そうすれば、いずれ様々な場所で数学デーが開催されるだろうと考えたからです。

その予想通り、現在は大阪で定期的に開催されていますし、埼玉などでも不定期に開催されるようになりました。

この発信は、これからも続けるつもりです。そうして、私の与り知らぬところで勝手にぽんぽん数学デーが誕生したら素敵なことだと思います。もしかしたら、既に海外でそうなっているかもしれません。情報ください。

 

そんなわけで、今日から始まる数学デーAdvent Calendar 2019では、数学が好きな人達が合計25本の記事を書いてくださいます。

ここも、ある意味で、数学好きが集まる場です。

皆さん、一緒に盛り上がっていきましょう。

*1:短いあみだくじでは、選ぶスタート位置によって、たどり着く確率の高いゴールと低いゴールができてしまう。では、無限に長いあみだくじの場合、この確率は一様になるか? 時々思い出したように議論した。

*2:平面上の3×3の〇×ゲームにおいて、二組の対辺をそれぞれ上下(左右)反転させて繋げれば、球面上の〇×ゲームの格子になる。が、その形がどうしても描けないので、みんなであれこれ頑張った。

*3:三次元世界の立体は回転軸が一本しかないが、四次元世界では二本の回転軸(正確には二枚の回転面)が存在する。そのような世界の惑星は、どんな公転と自転をするのか? その惑星から見た太陽はどんな動きをするのか?

*4:分数 \frac{a}{b}は、 ab^ {-1}と書ける。これを拡張して、 ab^ {\omega}c^ {\omega ^ {2}}とした数を巴数と呼ぼう。このような数の演算はどうなるだろう?

*5:1~9,0を、それぞれ「あ行」~「ら行」「わ、を、ん」に対応させ、文章を作る。3.1415926535... は「さ、江戸稲荷、カバのすね、…」となる。

*6:「部分的に黒い」のはポケットなのか猫なのかTシャツなのか人なのかで、何通りにも解釈できる。また、部分的に黒いのか部分的に入っているのか部分的にTシャツを着ているのか部分的に人なのかでも解釈の余地がある。それらを列挙し数え上げた。

*7:「両肩を叩かれたときだけ前の人の肩を叩く『and人間』」や「少なくとも一方の肩を叩かれたときに前の人の肩を叩く『or人間』」などと役割分担をし、数人で協力して論理回路を作った。二桁の二進数の足し算は成功した。

*8:ワードスナイパーというカードゲームがあるのだが、それが何故か数学デーで大流行している。ただし本来のルール通りには遊んでおらず、様々な遊び方を毎週のように考案して遊んでいる。数学デーAdventCalendarの2日目の記事で詳しく紹介する。